アテネ五輪世界最終予選(OQT)第5戦、日本はカナダに敗れ4連敗。この時点で、全日本男子のアテネオリンピック出場権獲得の可能性は消滅しました。ここでは試合後の記者会見の模様をお届けします。
出席者:田中幹保監督、杉山マルコス選手、細川延由選手、山本隆弘選手、阿部裕太選手
Q.今日の試合の感想は? 細川: 負けたことも、出場権を逃したことも、どちらもすごく悔しいです。ほかに言葉がないという感じです。 阿部: 今日は技術をどうこうしようというより、ムードを変えようと思いました。カナダとは実力差はないと思うので、出だしで離され、負けが込んで苦しくなってきている今のチームのムードをどうにか変えようと、その気持ちだけでやりました。出場権を逃したことは、悔しいという思いしかありません。 田中: 今日の試合は、力負けとしか言いようがありません。カナダとはワールドカップで戦って、高さと馬力で勝負する作戦できました。しかし、正直その分スピードはなくなってきてしまうので、高さと馬力だけで勝負するのはやはりしんどかったです。3年間このOQTを目指して強化してきましたが、最終的にこういう形に終わってしまい、ファンの皆さんに申し訳ないという思いでいっぱいです。 杉山: オリンピックは遠かったです。でも、最後まで本当にがんばります。 山本: オリンピックに出られなくなったことは、本当に悔しいです。自分の出来は、後半のようなプレーを前半からやっていれば、展開は変わっていたんじゃないかと思います。あと2試合あるので、みんなで今までやってきたことをしっかり出せるように、もう一度チームひとつになってがんばります。 Q.後半のプレーはどういう点が良かった? 山本: 前半は自分のスパイクを信じて、高いところから打とうと力んでいました。いったんコートの外に出て考え直して、もう少しリラックスしてブロックをしっかり見て打てばいいと考えたのが良かったと思います。 Q.途中で甲斐を下げた理由は? 田中: あの時点で甲斐の決定力自体はそれほど悪くありませんでしたが、早めに細川の速さでどうにかしたいと思い、交代しました。スタメンの6人の起用が間違っていたのかもしれないという思いもあります。(杉山)マルコス、甲斐はアジアのチームに勝つことを目標としたときのポイントです。最初から細川や越谷の速い攻撃で、相手ブロックを撹乱すべきだったかもしれません。 Q.去就については? 田中: 当初から、オリンピックまでと思ってやってきましたので、今回、出場権が取れなかったことで、気持ちは決まっています。ただ、最終決定をするのは理事会ですので、その決定を待ちます。 Q.残り2戦、何をよりどころとして戦う? 山本: 本当に皆さんに失望感を与えてしまっているのは申し訳なく思っています。力不足です。まだチームの本当の力を出せていないので、それを出せるよう、選手もスタッフも一丸となって戦います。最後までよろしくお願いします。 細川: 毎日、ただ試合に勝ちたいという思いで戦ってきました。明日からも、目の前の試合に勝ちたいという思いで、このチームを信頼して、今までやってきたことをもう一度思い出し、力を出せるようにがんばっていきます。 田中: ファンの方には申し訳ないという思いでいっぱいです。私の能力がないばかりに、選手たちにもつらい思いをさせてしまっています。残り2試合、開き直って全力で、今までやってきたことを少しでも見せられるようにがんばります。 杉山: 最後まで、自信で戦います。 阿部: 今までの試合、みんなも自分も一生懸命やってきましたが、結果が出なくて申し訳なく思っています。しかしあと2試合、やらなければいけません。チームのためにも、自分のためにも、応援してくれている人たちのためにも、周りにその気持ちが伝わるようなプレーをしていきたいです。(以上JVA-funclubサイトよりhttp://www.jva-fanclub.info/)
確かにストレートだったし、五輪出場を逃してはしまいました。
でもわたしは全ての試合を会場で生観戦して、ここ二試合ではなかなか感じることができなかった「本当に観戦をしにきて良かった」という気持ちを素直に、心から感じることができました。
言いたくはないけれど、ここ数日はとても雰囲気が悪かったと思います。
単純なミスがくり返されたり、競り負けることが続いたり、気落ちして声がでない状態が続いたりして、選手の「がんばろう」という気持ちが空回りをしているように思えてならなかったです。
負けた瞬間は呆然と立ち尽くしましたし、溢れる涙を押さえることはできませんでした。
負けたことが悔しい。
でもそれ以上に、がんばりたいという選手の気持ちが、意図したところとは全く別のところに繋がっていってしまっているのを、ただ観ているしかできない無力さが辛くてたまらないというのも正直あったと思います。
わたしはバレーが好きで、だから批判も失望もしたくないはずなのに、口をひらけば采配への不満や愚痴、選手の信頼感系への不安話ばかり出てきてしまって、それが悲しくもありました。
今日の試合は、立ち上がり「もしかしてまた同じなんだろうか」と不安になりましたが、阿部ちゃん、加藤さんの投入により、かなり雰囲気が変わりました。
一時は外れた山本くん、宇佐美くんもコートに戻り、大会当初の様なわくわくするプレイを魅せてくれました。
わたしがみたかったのは、こういうチームの雰囲気だったんだなと改めて思いました。
試合内容はストレート。
決して良い内容ではなかったと思います。
しかし、未来につながる試合をみることができた。
わたしはそう感じました。
甘いと言われるかもしれません。
でも、これはわたしの正直な気持ちです。
ニュースサイトの写真では、がっくりと肩を落とす全日本と表現されていましたが、わたしはここ数回の試合にはなかった、試合後選手たちが試合について話し合う姿を観ていました。
前にも書いたかもしれませんが、五輪出場が消えてしまったとしても、負けていい試合など1つもないはずです。
最後まで闘って、強くなって欲しい。
今日の悪いところは明日のプレイに活かして欲しい。
そうやって強くなっていって欲しい。
ファンの最後の願いではないでしょうか。
最終戦まですべて、わたしは会場にいきます。
この目にすべてを焼きつけてこようと思います。
国立スポーツ科学センターにて
- 田中幹保監督
- 「これまで17人で合宿を行ってきて、昨日、断腸の思いで12名に絞りました。このメンバーで力を合わせてOQTを戦う強い決心を持っています。3年間の集大成だという思いで、私たち自身のためにもバレー界の念願のためにも、是が非でも出場権をとりたいと思います」
- 宇佐美大輔選手
- 「12人から外れたメンバーのためにもOQTを必死に戦い、切符をとりたいです」
- 甲斐祐之選手
- 「12人に残れたことを光栄に思います。外れた人の分まで、代表として精一杯がんばります」
- 小林敦選手
- 「OQTに向けキャプテンを務めることになりました。これまで加藤が作り上げたチームの風土を継承し、僕自身の色も加えてOQTでいい成績を残したいです」
- 山本隆弘選手
- 「今ここに残っている12名で、必ずアテネの切符をとりたいと思います」
- 杉山マルコス選手
- 「この12名でOQTを本当にがんばります。よろしくお願いします」
- 加藤陽一選手
- 「シドニー五輪の最終予選からここまで、短い4年間でした。その思いをもって、切符をとって必ずアテネに行きたいです」
- 津曲勝利選手
- 「もう次はないんだというくらいの気持ちで戦います。応援よろしくお願いします」
- 細川延由選手
- 「他の競技団体が次々とアテネ行きを決めているニュースを見て、うらやましく思ってきました。早くその仲間入りができるよう、がんばります」
- 阿部裕太選手
- 「12人の中に残れたことで、落ちた人の分もここの12人でしっかりがんばりたいと思っています」
- 斎藤信治選手
- 「前回のOQTの悔しさを晴らせるよう、がんばります」
Q. キャプテンが加藤選手から小林選手に代わった経緯は?
- 田中監督
- 「12人が決まった時点で、加藤本人から『できたら小林さんに』という強い要望がありました。加藤は途中参加という形になり、合宿の中では小林を中心によくまとまっていました。チームらしいチームに作り上げた、彼の手腕を買いました」
Q. 今の全日本チームの強みは?
(JVA-funclubサイト http://www.jva-fanclub.info/より)
- 小林主将
- 「12名に絞られるまでの間、切磋琢磨しライバル意識を燃やす中でどんどん技術も伸び、精神面も高まりました。日米対抗試合に向けては、ライバル意識だけでなくチーム一丸となってまとまることができました。ある時はライバル、ある時は仲間として、オンオフを切り替えることでチームが成長できたと思います。こうして残った精鋭12名で練習を重ねOQTを迎えれば、いい成績を残せると確信しています」